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生理的に発生した涙を指で拭きながら、シノブは徐々に思考を再起動し始めた。
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彼女の名前は、最上シノブ。
地球防衛軍所属部隊『Galaxy planet resources investigation group(銀河系惑星資源調査隊:通称、GRIG)』に所属する、現地調査員だった。
だった、と過去形で記すのは訳がある。
シノブが現在乗船している『駆逐艦:クリミオ』は搭乗員が15名居るが、
今現在、シノブ以外に地球人は存在しない。
従って、先程彼女と会話していたクルー二名も、例外ではない。
ダクダと呼ばれた操縦士は、かつて幾度かウルトラ兄弟達の前に現れては妨害活動に勤しんでいた悪質宇宙人、メフィラス星人である。
アイオンは見た目は地球人そっくりではあるが、こちらも生まれは宇宙船内、育ちはＲ惑星のウルトラマンのライバルと名高い宇宙忍者の呼び名を持つ、バルタン星人である。
何故、彼女が宇宙人達に囲まれて宇宙航海をしているのか？
実は、ちょっとした理由がある。
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