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「大丈夫だって、オッサン。リュウは幻獣で、アイツは魔獣。似てっけど、違うんだって。という訳で、早く逃げろ」
「馬鹿、シン。そんな説明で誰が納得するんだよ……」
「!?」
新たな声に、男は驚いて顔を上げた。
その先にいたのは、目の前にいる少年とそっくりな顔立ちをした少年だった。
ただし、その表情は気だるげ。そして頭には青緑色の布を巻いている。
その少年の隣には金色の獣。
目の縁は黒く、額と腕にある模様は銀色。茶色い瞳が男を真っ直ぐに見ていた。
ヒッと息を呑んで、怯える男に、金色の獣は笑う。
「ははっ、ジン見て。あのおじさん僕を見て怯えてるよー」
「レン、お前は黙ってろ」
ジンと呼ばれた少年は、気だるげに近づいて来る。
「とりあえず――…逃げて下さい」
「説明面倒になったなジンっ!? オイラより酷いぞっ!!」
少年達の緊張感の無い会話に、男の緊張も緩む。
ヨロヨロと立ち上がった男は、恐る恐る少年達に話しかけた。
「君、達は一体……?」
「うん?」
それに反応したのは、最初に現れた少年シン。
ニッ。と笑って、シンは得意げに言った。
「オイラ達は、魔獣狩り。魔獣専門のハンターだ」
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