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学問の街「トルド」は今日も晴天。
学者やら学生、それを相手に商売する人、何だか素性のわからないやつと、活気に溢れる街通りは人がぞろぞろと行き来している。
そんな中を俺は人をかき分けかき分け走っていた。
俺の名はモーリス。至ってごく普通の学生だ。
そんな俺が、何故こんなに疾走しているか知りたいか?
理由は簡単だ。
借金取りに追われているんです。
「ごるぁあああ!! 待たんかいこの野郎!」
厳ついオッサンやお兄さんに、ともすれば捕まりそうになる。
なんだって俺がこんな目に……。
俺はただカジノで大負けして、生活費がなくなって、
泣く泣く借りてそれもカジノに使っただけなのに……。
ん? 自業自得?
運が悪かったんだ、あと一回チャンスがあれば……ね?
おっと、そんなことしてる場合じゃないな。
さあて、もう少しペースアップしますか。
俺は引き離すために、グッと足のバネを溜め始めた。
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