探し物

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今日から新しい学年になるというのに、まったく自覚がない。 高2って、微妙な学年だと思うのは、俺だけだろうか? パシャン! 水面を大きく弾く音が聞こえた。 橋から誰かが飛び下りたのか? まぁ、春だから、どうせ誰か頭が狂ったヤツか酔っぱらいが飛び下りたのだろうな。 そう思いつつ、俺は橋の下を流れる川を見下ろした。 川の深さは、わりと浅くなっていて、流れは緩い。 小学生の頃はよく、この川で友達と遊んでいた……なんて思い出話は後にして。 「おっ」 珍しい物を見た、と俺は興味本意で川に飛び下りた人物を見ていた。 そして 「東雲(しののめ)じゃん、どしたの?」 声までかけてしまった。 「……探し物」 ヤツは俺の方を見向きもせず、水の中に手を突っ込んだり、潜っては顔を出していた。
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