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今から数年前、彼の前に一人の人物が姿を現した。
年齢は彼と同じの、幼い感じの少年だ。
茶色っぽい髪を首の後ろで一つに束ね、牛乳瓶の底みたいなぐるぐる眼鏡をかけている。
一見すると同世代よりもすべてが劣っている感じだが、彼には分かっていた。
その人物は自分より高い位の存在だと。
「キミに……【力】……をあげる」
言って少年は彼を指差した。
正確にはある【事情】で失った彼の右腕あたりを。
彼は唇を噛み、少年を見つめる。
「これを使うかどうかは……キミ次第」
言って少年がどこからともなく取り出したのは緑色に輝くモノだった。
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