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印象的な大きな目は少し気が強そうに見えるが、よく見ると海溝ほど深い黒瞳に吸い込まれそうな感覚に陥る。
雪のように白く透き通った肌と、それとは対照的な静かに流れる清流のような長い黒髪のコントラストがなんとも言えない。
口をパクパクさせている翔の反応に、「この人、どうしちゃったの?」と首を傾げている仕草までもが、洗練された芸術の域に達している。
「ねぇ、あなた大丈夫?」
凛にそう尋ねられても、翔は身動きがとれない。
もう凛が何をするにしても、翔の魂を抜き取ってしまうだけである。
凛を見た最初の衝撃が強すぎたのだ。
「……住職様」
不安そうな声で、神野に声をかけてくる。
「うん? あぁそうだね」
これ以上、翔に動きがないと凛が妙な心配と、翔に対する不信感を抱いてしまう。
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