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俺が言うのも難だが、蛍は以前よりもずっと綺麗になった。
腰まであった髪は、胸の少し上の所で切りそろえられ、内巻きにしている。
黒かった髪の色も、焦げ茶色に染めた。
四年前とは違い、化粧も少ししているせいか、大人っぽくなった。
外見だけでなく、内面も綺麗な蛍に変な男どもが寄ってこないかと、俺は気が気でなかった。
「あたしなんかよりも、あたしは皐君のほうが心配だよ」
「は?」
蛍は運転している俺に体を向けて言った。
「だって、離れていた四年の間に皐君、背も高くなったし、その……かっこよくもなったし……」
最初のほうは掴み掛かってくるような勢いも、最後のほうは声が小さくなり、よく聞こえてこなかった。
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