プロローグ

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「そんなことはないよ。 渉は、いつも俺のことを助けてくれているよ」 「本当……?」 「うん。 渉が傍にいてくれたおかげで、俺は元気がでた。 涙だって止まっちゃったよ」 俺がそういって笑いかけると、渉は満面な笑顔を浮かべた。 「じゃぁ、僕はずっとお兄ちゃんの傍にいてあげる。 ずっと、ずっと、お兄ちゃんの傍から離れないっ!」 渉はそういって、俺に抱きついてきた。 「ありがとう、渉。 それじゃぁ、俺は渉のことを守ってやる。 どんな奴が相手だって、渉をいじめる奴は俺が懲らしめてやる」 「わーい!ありがとう、お兄ちゃん! 約束だよっ!」 「うん。約束だ!」 そういって、俺達は小指を絡ませ合った。 しかし、それから二週間後。 渉は事故に遭い、植物状態となった。 .
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