時間

13/21
前へ
/50ページ
次へ
「自分の子供でもないアナタに母さんなんて、呼ばれたくないわっ!」 「――――――ッ!」 パンッ………… 突然、乾いた音が部屋のなかに響き渡った。 一瞬、俺は目の前で何が起きたのか理解できなかった。 ――父さんが母さんの頬を平手で叩いたのだ。 叩かれた張本人の母さんも、自分の身に何が起きたのか分かっていない様子だった ただ呆然と叩かれた頬を片手で押さえ、父さんを見つめていた。 しかしすぐに我に戻り、父さんを強い目で見た。 「なっ……何するのよ!」 母さんは強い口調で父さんに詰め寄った。 空気が張り詰め、ピリリとした衝撃が走る。 母さんの身体は、怒りで震えていた。 .
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

83人が本棚に入れています
本棚に追加