進むために

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ピピピピピピ…… 「朝……か……」 俺は重たい体を動かして、今だ鳴り続ける目覚まし時計を止めた。 あの頃の夢を見るなんて…… 俺は片手で顔を覆った。 冬のせいか、朝だというのにまだ薄暗い。 俺はまだ半分覚醒していない頭を起こすため、洗面所へと向かった。 冷たい水で顔を洗うと、頭の中がすっきりしていく。 顔を洗い終え顔を上げると、沈んだ自分の顔が鏡に映る。 俺はそんな自分に喝を入れるために、両手でパチンッと叩いた。 「よしっ!」 気合いを入れた俺は、出かけるために身支度を始めた。 蛍がアメリカから帰ってきて、約一ヶ月。 俺達は離れていた時間を取り戻すかのように、ほぼ毎日逢っていた。 .
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