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それから十分後、蛍の家に着いた。
俺は車を停めて、蛍の家の玄関へと向かった。
俺がインターホンを押そうとした瞬間、蛍が玄関から飛び出してきた。
「うわっ!びっくりした」
驚いて声をあげると、蛍も俺の声に驚いたのか、目を見開いて固まっていた。
「ご、ごめんね。
脅かすつもりは無かったんだけど。
皐君の車が入ってきたのが見えたから、待たせちゃ悪いと思って急いで出てきたの」
蛍は肩を縮こませ、チラリと俺を見上げた。
「おーい、蛍。
財布を忘れているよ」
そういって玄関から顔を出したのは、蛍の父親だった。
「おや、槻宮君。こんにちは」
望月さんは、蛍と似たやわらかい笑顔を浮かべて言った。
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