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俺は、この波動にも、感情があるんじゃないかと思う。
まるで、泣いているかのような旋律…寂しいような。
けれど、俺が居ると、それが和らいでいる気がしてくるんだ。
そこでなんとなく片手に持っていた文庫本サイズの小説を開き、立ったまま文章を眼で追い…
また眼を閉じる。
水が流れるような清らかな音が、俺の心を洗い流していく…
「…神…」
ん…
「み…伊神(いかみ)っっっ!」
「?!」
後ろから聞こえた大声に、眼を閉じて聴覚に気を傾けていた俺の耳は悲鳴を上げた。
痛くなりそうだ、ってか痛い。
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