笑顔

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「この世界はなぜ人間ばかりがいるのだとおもう?」 今日も魔王様は私に語りかける。 私は人形。 笑うことを忘れた人間。 あなたに殺されたあの日から。 「無様だと思わないか?苦を好むものもいれば、そうでないのもいる」 ガラスケース越しに見えるあなたはとても悲しそう。 「覚えているか?お前をこの中に入れた日を」 忘れる訳無いじゃない。 ちゃんと覚えてるわ。 今日みたいに、雨だったでしょ? そのときはまだ、私は小さな小さな国の姫だった。 あなたのことなんか知らないはずの人間だったわ。 ―――― ――
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