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もう陽が暮れる。
教室でくらを待つのが私の日課で…
そして、女の子の歓声に応えるくらを見て泣きそうになるのも日課になってきた。
『前までは、こんなことなかったのになー』
くらが他の子に笑いかけても
他の子に触れても、
なんにも思わなかったのに
『欲張り…なのか、な…?』
最初はくらの側に居れるだけで良かったのに
どんどん欲張りになって
くらの好きな所が嫌いな所になっていく。
『もう…苦しい、よっ』
くらに作ったチョコレートも素直に渡せないし
気まずさで、くらを避けて過ごしたからあんまり会話もしてない。
『も、帰ろ』
今日はチョコレート、渡せない気がする。
部活中だから見ないだろうけど
一応、先に帰るってメールを入れて、流れ出た涙を乱暴に拭い
教室を後にした。
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