プロローグ

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例えばそうだな…… ここに一つの箱があるとしよう。 大きさとか、形とか、何製なのかはどうでもいい。 とにかく、箱だ。 その箱には何も書かれてなくて、何が入っているかわからなくなっている。 さて、そこのお前はどうする。 まあ、もちろん、開けるか開けないかの二通りになるだろうな。 しかし、結果は大きく分けて四通りになるだろう。 1、開けて良かった。 2、開けなければ良かった。 3、開けなくて良かった。 4、開けていれば良かった。 さて、俺の持論ということになるが、順番に説明してみようか。 まず、1と3はおめでとうさんで終わりだ。 2は残念だったな。 4…… これがまさに、俺が話したかったことだ。 やらない後悔ほど、二階から目薬みたいなもどかしい思いはないよな。 何が言いたいかというとだ。 俺はこの先の人生、やる後悔はやっても、やらない後悔は絶対にやらない。 誕生日にわざわざ高価なゲームを親に頼んだことや、ガラの悪い連中に絡まれている同級生を助けたこと…… それに、家から遠い学校にわざわざ受験したことだってそうだ。 もちろん、後悔したことはあるが、やらないで後悔するよりはマシだと言い聞かせて生きてきた。 これからも、自分のやることに自信を持って、新しい学校生活を過ごそうと思う。 ……ところがだ……
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