序章-駅から徒歩30分-

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信じられるか。 徒歩30分だぜ。 学園の紹介的なパンフレットでそれを見つけた時は、おったまげたぜ。 しかも、これだけ長い距離なのに、コンビニ以外の娯楽施設がないのがまた痛い。 それに、厳しい自然の猛攻に耐えられるかどうかも、保証できない。 夏には何リットルの汗をかくのかわからないし、冬は使い捨てカイロが必需品となるだろうな。 三年間、体が保つのかどうかが不安だったが、学園に着いて、それも杞憂に終わった。 単純に、学園全体の雰囲気が良いってだけだがな。 俺が所属することとなった1年C組の連中も、親しみやすいヤツらばかりで、それなりにクラスに溶け込むことができた。 もちろん友達も欲しかったから、俺は積極的に自分から話をするように努めた。 後悔しないためにも、まず行動で示さないとな。 ダメな時は、その時はその時で考えれば良い。 やらない後悔よりも、やる後悔。 この学園でも、それを貫き通すつもりだ。
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