『好 奇 心』

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『わっ何これ』 ある昼下がり 公園の広場で ひとりの少女が目にしたのは ばらばらとまき散らされた髪の毛だった 『なんか気持ちわるいなぁ』 そして少女はその場を離れた 数日後の夜、少女はあの公園の近くを歩いていた 『あの髪の毛、何だったのかな…』 ちょっとした好奇心から 少女はあの広場に向かった 『あれ?…誰か片づけたのかな』 そこにはもうなにもなかった 『誰かのイタズラだったのかな。にしても悪趣味だな、髪の毛バラまくとか』 そういいながらその場を離れようとした少女 『こんばんは、お嬢ちゃん』 背後から聞こえた声 ビクリと肩を震わせて、恐る恐る振り返った 『何だ、お巡りさんかぁ…。恐い人かと思った』 声の主に少女は胸をなで下ろした 『恐い人?』 『うん、あのね?この前ここに髪の毛がいっぱい落ちてたから…』 『恐い人が誰かの髪の毛をばらまいたのかなって思ったのかい?』 『うん。でもお巡りさんなら大丈夫ね』 にこりと笑うとお巡りさんもにこりと笑った 『だけど気をつけないといけないよ』 『どうして?』 『きっとその恐い人は大好きだから…』 『え?何が?』 にこやかな顔でお巡りさんは答えた 『お嬢ちゃんのような長くて綺麗な髪の毛がね…』 月明かりの下、その手に ひかるもの… 『―…どうして、そんなもの持ってるの?』 翌日の昼下がり 数人の少女たちが公園を通りかかる 『やだ、何これ』 『髪の毛?』 『誰のだろ…気味悪~い』 ちょっとした好奇心 それは 何を引き起こすかわからない 危険な、誘惑 ―end―
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