~一期一会~

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このクソ女ともめてる内に、駅員が遠くから走ってきていた。 やばいな、捕まる。 冤罪とか嫌だわぁ。 法廷に立たされたら思いっきり 「それでも僕はやってない!!」 って叫ぼう。 まぁ俺あの映画見てないけど。 まぁ、この際しょうがねぇ。 逃げるか。 「おい、女」 「なによ、変態」 やばっ、ぶん殴りてぇ。 「痴漢の真犯人なら、あの自販機の所からこっち覗いてるぞ。」 俺は悪意たっぷりで燕を指差してやった。 「えっ!?どこよ!?」 女の手が俺の手から離れた。チャンスだ!! こっちのホームから改札口のあるホームまでの線路の幅は約5メートルほどか。 少し厳しいが、女が痴漢の真犯人(囮の燕)を探している今しかチャンスはない。 イケる!! 今の俺には… 「不可能などなぁぁあい!!」 太一は思い切り助走をつけ、ホームからホームへとジャンプした。 しかも、見事に成功。 我ながら恐ろしい身体能力だぜ。
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