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「まぁ、年上ってことを認識してもらっただけで私は満足なので、もう行きますね」
「あいよ。さいなら」
太一は萌が自分の横を通り過ぎるのを確認してから歩き始めた。
「いたっ!」
あっ?
後ろからまた萌の声が聞こえたので、太一は振り向いた。
すると、萌は自分の足首を押さえながらうずくまっていた。
「どしたんすか?」
「ちょっとさっきので捻挫してしまったみたいです…。」
うわ、俺のせいじゃん。
「まぁ私は副会長なのでこれくらいはどうってことないので大丈夫ですぅ。」
あぁぁあ、めんどくせ。めんどくせえけど仕方ねぇ。
「ひょいっとな。」
「へっ?」
太一は萌をお姫様だっこで持ち上げた。
「何してるんですか!?」
「副会長は俺のせいで怪我してしまったので、俺が保健室まで連れて行きます。」
「い、いいですよ!大丈夫です!無問題ですよ!」
「いや、自分でしてしまったことは自分でけじめつけておきたいんすわ。」
「むぅ…。大丈夫なのに…。」
「ひとまず保健室の場所教えてもらっていいっすか?場所わかんないんで」
「り、了解です。」
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