~一期一会~

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季節は春。 新しい制服に身を包み、初々しい表情で目を輝かせる新入生。 朝日が眩しい部屋の窓から見える登校途中の高校生達。 俺も今日からその高校生へ仲間入りする。 俺は高城 太一。 三月に中学を卒業し、今日から晴れて高校生へとなる高校一年生だ。 「今日は入学式か…。めんどいからハッタリこいて屋上でタバコでも吸ってようかな。」 太一は新しい制服を着てから、革のカバンの中にタバコを一箱入れた。 今日から高校生ねぇ。 ………実感ねぇな。 太一はカバンを手に持ち、部屋を出ようとドアノブに手をかけると、急にドアが開いた。 ガンッ!! 「いってぇ!!」 「起きて~、お兄ちゃん!ってあれ?お兄ちゃん、もう起きてたんだ。」 「あぁ。たまたまな。てか、人の鼻にドアぶつけたことはスルーか?こら。」 「朝ご飯とお弁当、居間に置いてあるから早く来てね~。」 「無視すんな」
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