~一期一会~

20/35
前へ
/83ページ
次へ
ざわついてんなぁ。 うるせぇのは嫌いだ。 太一は黒板に張り出されていた座席表を見た。 後ろから二番目か。しかも俺の後ろ、さっきの変な名前のヤツだし。 関わらないようにしよう。 太一は自分の席に座ると、すぐに耳にイヤホンを付けて睡眠しようとした。 だが。 つんつん。 ん? イヤホンを外し、つんつんしてる犯人のほうを見てみた。 「あ、ど、どうも」 「?……どうも」 隣は普通の女の子だった。 「…は、初めまして。私の名前は阿部 雄子(あべ ゆうこ)といいます。よ、よろしくお願いします。」 隣が阿部ってすげぇな。あ行、何人いんだよ。 「俺は高城太一だ。まぁ、よろしくな」 「は、はい!」 「んで、どうかしたの?」 「あ、いえ。隣なので仲良くしてもらえると、う、嬉しいな、なんて。」 「あ、なるほど。まぁ、仲良くなれるかはわかんねぇけど。ただ」 「ただ?」 「あまり俺に近寄りすぎんなよ。ひどい目に遭うかもしんねぇからな」 「ご、強姦?」 「………この学校はバカしかいねぇのか?」
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加