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「太一クンが私に何かするということ?」
「いや違うから。何もしないしする気もない。ただ俺の周りが危ないってことだ。」
「??」
「まぁそゆこと。じゃ、寝るわ」
「あ、お、おやすみなさい」
「んっ…。」
太一はイヤホンを付け、眠った。
「あと二分でHRなのに…。」
~~~~~~~~~~~~~~~
教室に教師が入ってくると、会話をしていた生徒達が喋るのを止めた。
「はい、起立~。って、ん?そこの金髪寝てんじゃね?」
太一は爆睡していた。
教師は生徒名簿を見る。
「高城太一ね。おい隣の、えっと雄子。」
「ひゃい!?」
「いや何故驚く?太一を起こしてやれ」
「あ、はい。……太一くん。太一く~ん」
雄子は太一の肩を軽く揺さぶってみる。
「………ん、どした?雄子」
「HR始まってます。起立してください、だって」
「??」
太一はイヤホンをしているので何も聞こえていない。
「あ、寝ぼけてるのかな。」
雄子は太一のイヤホンを外した。
「おぉ、イヤホンしてたの忘れてたわ。」
「えへへ……先生が起立してだって」
「あいよ……。」
「やっと起きたか」
「……………いや、何してん?おまえ」
「なぜ関西弁?しかも教師にタメ口使うな」
俺の瞳に映る教師とやらは、俺の兄貴だった。
「では、生徒のみなさん座っていいですよ~。」
結局生徒達は礼もすることなく、座らされた。
「自己紹介をさせてもらうと、俺の名前は高城蓮(れん)。そこにいる高城太一の兄貴だ。よろしくな」
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