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アイツ就職したって言ってなかったか?
しかも教員免許なんていつ取ったんだよ。
「太一くん太一くん。」
「何?雄子」
「…………………。」
何故か雄子はじっと俺の顔を見つめてきた。
「俺の顔になんか付いてる?」
「いや、お兄さんにそっくりなんですね」
そう。俺と兄貴は顔がそっくりなのだ。
唯一見分ける方法が髪の色の違いだ。
兄貴は茶色で俺は金。
それ以外はまったく一緒。背丈も顔つきまでも。
双子じゃないのに。
「まぁそうなんだよ。なんか兄貴とは顔がそっくりなんだ。」
「まさに兄弟って感じですね!」
「いやまぁそうなんだけどさ。なんか変な感じするなその言い方」
「おぃ、いつまでイチャイチャしてんだ太一。俺の話聞いてたか?」
「イチャイチャしてないし、お前の話なぞ聞く気もないわ!」
「相変わらずその意味わかんねぇ性格は治ってねぇんだな」
「治す気ないしな」
「黙れ。………ん?さっきお前のせいで視界に入らなかったが、お前の後ろの子も寝てんじゃねぇか?」
「お?そうですね~。」
「いや、起こせや」
「はいはい。」
兄貴は教師なんだから自分で起こせや。
ってか、こいつ俺の後ろってことは名前、たのって読むのか。
「おぃ、多野。起きろ~、朝だ」
「ぅん…?あぁ、ありが…」
後ろの多野さんは俺の顔を見て、唖然としている。
たぶん俺の顔も多野さんと同じ顔になっているだろうな。
「「え…えぇ~~~?」」
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