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俺達は再び生徒会室まで戻り、今度はしっかりと中に入った。
「どうもぉ。仕事ははかどってますかぁ?」
「あ!光!それに太一くんも!今まで何してたんですか!」
「あぁ、俺道に迷っちまってさ。」
「は?入学して二週間も経つのにですか?」
「俺記憶喪失ってやつでさ~。」
「きぃぃ!何バカなこと言ってるんですか!」
俺はここで、副会長を無視して、会長とアイコンタクトをとった。
~五分前~
「簡単…ですか。」
「はい。もしも、さっきの憶測が当たっていたとしたら、雄子がおかしくなってからまだ5日ほどしか経っていませんから、腹は全然回復してないはずなんです。」
「それは…まさか、お腹を触るってことですか?」
「はい。確かめる方法はそれしかありません。」
「だから…心が痛むと…。」
「まぁ、そんな汚れ役は俺がやりますから。」
もし、雄子が本当に腹を怪我しているなら絶対痛がるはずだ。
こんなことしたくないさ。
けど、確かめる方法はこれしかないんだ。
心を鬼に変えるしか。
「…その役目は私がやらせていただきます。」
「は?な、何バカなこと言ってるんですか?会長がそんなことする必要ありませんって!」
「いえ。私は雄子ちゃんがそんなことになっていたなんて全然知りませんでした。私がしっかり雄子ちゃんから話を聞けばなんとかなったかもしれないのに。」
「いや、だったらあの日一緒にいてやれなかった俺が悪いんすから、俺がやります!」
太一がそう叫ぶと、会長はふぅ。と一息吐くと、笑顔で太一を見た。
「?」
「あなたのその後悔は後にとっておいてください。そして、犯人がわかったらその後悔の力を思いっきり出しちゃってください。恥ずかしながら私では犯人に勝てないかもしれないので、こういった形でも協力したいんです。」
「会長………。」
「えへっ…。」
「………わかりました。俺の力は溜めておきます。」
「ありがとうございます。」
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