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~屋上~
屋上には雄子ともう一人、男が立っていた。
「お、雄子ぉ。やぁっと来たか。待ちくたびれたぜぇ?」
「古河童司(ふるかわ どうじ)さん………。」
「あっはぁ、いい加減フルネームはやめようぜぇ。もうすぐで俺とお前は夫婦の関係になるんだからよぉ?」
「………。」
古河はニヤニヤしながら雄子に近寄っていく。
それに伴い、雄子は少しずつ後ずさっていった。
「おいおぃ…そんな邪険にすんなよ…。この前みたいなことはもうしねぇからよぉ。」
雄子が壁にぶつかり逃げ場を無くすと、古河は一気に距離を縮め、雄子の目の前に立った。
「そんな怯えんじゃねぇよ。この前のはお前が悪いんだぜぇ?俺っていう存在がいるのに、あんな変な金髪野郎と仲良くしてっからぁ」
(いたっ!!いました!!)
ここで太一達は到着し、ドアの隙間から二人を見ていた。
(アイツが犯人か…。)
(どうやらそうみたいですね)
(もう、アイツぼこぼこにしてきてもいいですか?)
(まだこらえてください。万が一、違かった場合まずくなるのは太一さんのほうなんですから。)
(くっ………。)
太一は仕方なく、二人の会話に耳を傾けることにした。
「太一くんは私の友達です!!友達と仲良くしちゃいけないんですか!?」
!!
俺の話……?
「友達ぃ?だったら何で俺といるときより楽しそうなんだ?俺達はカップルなのにぃ?」
「カップルなんかじゃありませんよ!」
「あぁっ?」
「だから、ちゃんと父の借金は私が返すと言ってるじゃないですか!」
「あぁ~。だからよぉ、俺と結婚すれば借金なんて帳消しにしてやるって、俺の親父も言ってるんだぜぇ?」
(なんだか、だんだん話が見えてきましたね)
(………そうですね。)
あのクソ野郎は無理矢理雄子を自分のモノにする気らしいな。
「ですから「おぉい!!」」
雄子は突然の大声に驚き、萎縮してしまった。
「あんま、調子のってっとまた血ヘド吐かせんぞコラァ!」
!!!
ガシャァァアン!!!
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