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「へっ!!?」
「あぁっ?」
屋上のドアが音を立てて、空を舞った。
「あん?なんでドアが、……!」
「やっぱりテメェが犯人か…。」
「た、太一くん!!?」
太一は二人のいる場所に少しずつ歩いていった。
「テメェ…人の彼女に手ぇ出しといてよくもノコノコと俺の前に顔出せたな、あぁ!!?」
「………黙れ。」
「!!?」
古河は太一のただならぬ雰囲気に少し後ずさりした。
「テメェは自分の彼女に手ぇ挙げんのか?テメェは自分の彼女が血ぃ吐くまで手ぇ出すのか?」
「た、太一くん……。」
「テメェは雄子が怯えてんのに何笑ってんだ?」
「へ、へっ。てめぇ、俺が誰だかわかってんのか?俺は古河商事の次期社長だぜ?」
「テメェは雄子が血ぃ吐くくらい苦しませといて何が彼女だ?」
「お、俺の親父はこの学校に多大な寄付金を入れてんだ!親父に言えばテメェなんて速攻退学にできるんだぜ!!」
「雄子がどんだけ苦しんでても関係ないってか、あぁっ!!!」
「ひぃっ!!!」
「俺はテメェを必ず殺す。今のうちなら最後の言葉くらい聞いてやるぞ。」
「ば、馬鹿が!俺はボクシングで全国行ってんだ!!テメェなんかに負けるわけ」
バコォォオン!!
「ま、まけるわ…け………。」
太一の右腕はコンクリートの壁に突き刺さっていた。
「テメェの最後の言葉は聞いてやったぞ。もうこの世に未練はねぇな?」
「は、ははは。お、俺が負けるわけねぇぇ!」
古河のパンチは太一のあごを正確に打ち抜いた。
「入った!これでお前は脳しんとうで動けねぇ!」
「あ?」
太一は古河に少しずつ歩み寄っていった。
「な、なんで動けんだよ…?」
「お前が先に殴ったからな。正当防衛だ」
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