35人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
あれから
俺が起きると、そこは俺の部屋だった。
会長が床に寝ていたので、たぶんこの人が連れてきてくれたようだ。
どうやったかは、知らないが。
そのあと、起きた会長にすべてを教えてもらった。
雄子の両親は雄子が中学生の時に離婚し、父親が雄子を育てることになったこと。
父親は商売がうまくいかず、同級生だった古河に借金をしてしまったこと。
そして、父親は結局うまくいかずに自殺。
残った借金はすべて雄子に任せられてしまったこと。
古河の息子の童司が雄子に惚れ、雄子が嫁にくれば借金を無しにするという条件を無理矢理承諾させてきたこと。
その話を聞いて、またヤツを殴りたくなったが、アイツは今ボロボロで入院中らしい。
右腕骨折に鼻骨折。
それに脚の骨にヒビが入っていたらしい。
まぁ、いい気味だと俺は思う。
ちなみに、古河童司が言っていた俺を退学にするとかいう話も、雄子が負わされていた借金も、どこかの金持ちがなんとかしてくれたらしい。
「いい人もいるもんだねぇ」
なんて言っているが、おそらく張本人はこの人だと思う。
勘だが。
最初のコメントを投稿しよう!