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次の日の朝。
俺はいつもより早い電車で学校へ行くことにした。
雄子に会うと気まずいからだ。
俺は自覚はしているが、ブチ切れると性格が変わってしまうから、おそらく雄子は恐れて、俺には関わってこないだろう。
まぁ、それが一番いいのだ。
俺なんかと関わっていると、いいことなんかないからだ。
1-Cの教室に着くと、まだ誰も来ていなかった。
「これはこれは、ラッキーだ」
雄子がいたらどうしようかと思った。
俺は自分の席に座り、イヤホンを付けて眠りの態勢に入った。
雄子の席とは逆の向きで。
ぽふっ。
あっ?
誰かが俺に抱きついてきているのがわかった。
「雄子…か。」
「よく、わかりましたね。」
「………俺なんかに近寄ってきていいのかよ?」
「どういう意味ですか?」
「お前、本気の俺を見ただろ。恐くねぇのかよ」
「ちょっと……ね。」
「だったらなんでまた。」
「それ以前に、私のことを助けに来てくれたことが嬉しかったんだよね。」
「………。」
「だから、恐がらない。だって、太一くんは私の友達だもん!」
「……………へっ。後悔しても知らないからな」
「えへへぇ。」
「なに赤くなってんの?」
「わ、わかりませんね?」
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