~弱肉強食~

17/17
35人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
次の日の朝。 俺はいつもより早い電車で学校へ行くことにした。 雄子に会うと気まずいからだ。 俺は自覚はしているが、ブチ切れると性格が変わってしまうから、おそらく雄子は恐れて、俺には関わってこないだろう。 まぁ、それが一番いいのだ。 俺なんかと関わっていると、いいことなんかないからだ。 1-Cの教室に着くと、まだ誰も来ていなかった。 「これはこれは、ラッキーだ」 雄子がいたらどうしようかと思った。 俺は自分の席に座り、イヤホンを付けて眠りの態勢に入った。 雄子の席とは逆の向きで。 ぽふっ。 あっ? 誰かが俺に抱きついてきているのがわかった。 「雄子…か。」 「よく、わかりましたね。」 「………俺なんかに近寄ってきていいのかよ?」 「どういう意味ですか?」 「お前、本気の俺を見ただろ。恐くねぇのかよ」 「ちょっと……ね。」 「だったらなんでまた。」 「それ以前に、私のことを助けに来てくれたことが嬉しかったんだよね。」 「………。」 「だから、恐がらない。だって、太一くんは私の友達だもん!」 「……………へっ。後悔しても知らないからな」 「えへへぇ。」 「なに赤くなってんの?」 「わ、わかりませんね?」
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!