35人が本棚に入れています
本棚に追加
「ごめん…。私体育祭出られないんだ…。」
「「「えぇっ!!?」」」
昼休み、教室に戻ってから雄子にリレーの件を話すと、今のような回答が返ってきた。
だが俺には一つ思い当たる節があったので、雄子の顔の横に顔を持って行き、耳元で話した。
「まだ腹が痛むのか?」
すると、雄子は笑顔になった。
「もう痛みはないよ。でも、お医者さんに激しい運動はダメって言われただけ。」
「なんだ、ビビった。まぁよかったな。回復してきてて」
「うん。あれだけの怪我で済んだのは太一くんのおかげだよ。ありがとね」
雄子は俺の耳元から顔を離し、いい笑顔でそう言った。
こんな顔されると、ちょっと赤面してしまう。
「まぁ…どういたしまして。」
「ねぇ、なんの話してんのよ?」
「俺らにも教えろよ~?」
俺らは小声で話していたので、蚊帳の外になっていた二人が会話に入ってきた。
そういえば童司の件はこいつらには教えていなかったんだったな。
俺と雄子は顔を見あわせた後、二人で
「教えない♪」
「教えねぇよ」
と、言った。
もちろん多野と燕に質問責めをされたが、燕は拳で黙らせた。
最初のコメントを投稿しよう!