5597人が本棚に入れています
本棚に追加
/1191ページ
「えっ?」
視界に飛び込んできたのは、絶世の美女を思わせる人物だった。
あまりの美しさに開いた口が塞がらない。
そんな俺のことは気にかけず、更にその美女は話しかけてきた。
「それは凄いわね。
ところで、いざというときって?」
「あ……あぁ。
それはちょっと言えないんだ」
質問されたことで、なんとか意識を戻したが、質問にはお茶を濁した。
なぜなら。
(言えねえよなぁ。
族やヤンキーのガキ共が交通の邪魔になってるのにムカついたからなんて)
「どうしても教えてくれない?」
小首を傾げて上目遣いでなおも食い下がる美女。
(ぐおおおぅぉぉーーーーっ!
それは反則じゃぁっ!)
「きっ、企業秘密ってことで」
それでも鉄の理性でなんとか押さえ込んだ。
俺って紳士!とか些か検討違いなことを考えていたが、今振り返るとなんて愚かだったんだろう。
(とにかく!
この秘密だけは言えん!
ガキ共にムカついた理由のそもそもの発端が、漏れそうでトイレに急いでいたのを邪魔されたからなんて!)
まあそういうわけで、強制排除に乗り出したんだ。
さっき言ったマキビシ使って。
そしたら、それ以来俺のこと待ち伏せするようになりやがって、足がついても困るので色々追加改造するようになったのだ。
半分以上趣味なのは否定できないが……。
最初のコメントを投稿しよう!