始まりはいつだって突然だ。

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「えっ?」 視界に飛び込んできたのは、絶世の美女を思わせる人物だった。 あまりの美しさに開いた口が塞がらない。 そんな俺のことは気にかけず、更にその美女は話しかけてきた。 「それは凄いわね。 ところで、いざというときって?」 「あ……あぁ。 それはちょっと言えないんだ」 質問されたことで、なんとか意識を戻したが、質問にはお茶を濁した。 なぜなら。 (言えねえよなぁ。 族やヤンキーのガキ共が交通の邪魔になってるのにムカついたからなんて) 「どうしても教えてくれない?」 小首を傾げて上目遣いでなおも食い下がる美女。 (ぐおおおぅぉぉーーーーっ! それは反則じゃぁっ!) 「きっ、企業秘密ってことで」 それでも鉄の理性でなんとか押さえ込んだ。 俺って紳士!とか些か検討違いなことを考えていたが、今振り返るとなんて愚かだったんだろう。 (とにかく! この秘密だけは言えん! ガキ共にムカついた理由のそもそもの発端が、漏れそうでトイレに急いでいたのを邪魔されたからなんて!) まあそういうわけで、強制排除に乗り出したんだ。 さっき言ったマキビシ使って。 そしたら、それ以来俺のこと待ち伏せするようになりやがって、足がついても困るので色々追加改造するようになったのだ。 半分以上趣味なのは否定できないが……。
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