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「くくくくくっ」
相手の間抜けさに笑いを噛み殺していると、ドアの向こうから再度声が聞こえてきた。
「もしかしてお寝坊さんでしょうかぁ?
でももう12時前ですしー。
はっ!もしかして!?
試験日なのに、具合が悪いのでしょうかぁ?
それは大変なのですぅ!」
勝手に結論を下したかと思うと、ソイツの行動は早かった。
ガチャン!と何かが床におかれた音の後、プシュッとドアが開く音がする。
「入りますですぅ」
しかし、他に選択肢はなかったのか?
トイレや風呂に入っているとか。
まあいい。
ソイツはベッドが膨らんでいるのに気付いたのだろう。
俺の眠る場所に近づいてくる。
「水嶋さん?」
トテトテ近づいてきたと思ったら、俺の肩を揺すり出す。
しかし俺は起きない。
「むぅ。
やっぱりお寝坊さんでしょうか?
でも一応……」
熱があるか計ろうとし俺の額に手を伸ばしたときだった。
今だ!
バチンッ!
作戦成功ッ!!
「痛いれすぅー」
涙目でこっちを睨んでくる相手。
「ハッハッハ。
そんな顔をしてもちっとも怖くないぞ?」
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