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結論から言うと、侵入者の頬を両手で挟んでいる状態だ。
勢いよすぎて、若干赤くなっているがそれは無視することとしよう。
「いきなり何をするんれすかぁ!?
離してくらさいぃーーーっ!」
侵入者が不満の声をあげるが、それも当然のことであろう。
だがしかし!
そんなことで屈する俺ではない。
頬を挟むのをやめ、横に引っ張りだす。
「いきなりとはご挨拶だな。
そもそもノックもせずに入ってくるやつが悪い。
それでは只の不法侵入者か変態だぞ!」
擬音が付くなら、ズビシッ!とかしそうな勢いで相手を指差す。
あっ、頬っぺた離しちまった。まあいいか。
良い子は人に向けて指を差しちゃいけません。
「はううっ、そうでした。
ノックしてませんでした、ごめんなさいですぅ。
だから許してほしいのですぅ。
変態さんはイヤなのですぅ」
じゃあ不法侵入者はいいのだろうか?という疑問が沸いたが、ここは抑えて更に畳み掛ける。
ちなみに、チャイムを三回鳴らしている時点で、ノックは必要ないことは言わない。
「百歩譲って、無断で俺の部屋に入ってきたことは許そう。
だがしかしっ!」
無駄に拳を振り上げ力説する俺。
更にちなみに、俺は軟禁状態なので、ここは俺の部屋でもなければ、俺の意思で出入りできるわけでもない環境だ。
故に、軍関係者が無断で入ってこようが、咎められる訳がない。
訳がないのだが……こいつは本気で気付いていない。
つまり、いじってくださいと言わんばかりの、天然ボケボケキャラなのだ。
ならば!
することは一つ!!
「俺のベッドの上にまで上がって、襲おうとするとは何事だ!」
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