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「じゃあ飯なんだな?」
「ハイですぅ」
タラちゃんか?タラちゃんなのか!?
やはりコイツはチビッ子に間違いない。
内心でツッコミを入れつつ、俺の中での魅子の評価は決定した。
「じゃあとりあえずそこのテーブルの上にでも置いといてくれ」
「分かりましたですぅ」
トテトテ室外に向かって歩きだす魅子。
あっ、そうだ。
「いつもありがとうな魅子」
感謝は忘れちゃいけない。
俺のモットーの一つだ。
「いえいえ、これが私のお仕事ですから」
振り向き、満面の笑みで返す魅子。
ああそうだよな。
でもな?
心からの感謝を言い表されて、嫌な気がする人はいないと思う。
たった一言で、労力も金も使わないのに、自分も相手も気持ちよく仕事ができるなら、そこに怠惰になるべきではないと俺は思う。
故に
「それでもありがとうな」
必要であれば、俺は何度でも感謝を表そう。
「クスッ、なんだか照れ臭いですぅ」
「喧しい!
それより腹が減った。
早く持ってきてくれないか?」
返ってこっちが照れ臭いわ!
誤魔化すように、飯の催促をした。
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