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ふと、足に何かが当たった感触がした。
足元には無数のケーブル。
その一つ一つがどれかの人形兵器に繋がっているようだ。
よくよく見てみると、俺の足に当たっていたのは一つのコンセントプラグだった。
誰か足でも引っ掛けて抜けたのかな?
「仕方ない。
代わりに刺しといてやるか。
ええと、コンセントコンセントはと……あった、あれか」
俺が親切心でコンセントにプラグを刺そうとしていると、大きな声が響いた。
「試験開始!」
えっもう!?
しまった!!
機械に目を奪われる余り話を全く聞いていなかった。
いつの間にか、此処に着いてから五分も経っている。
取り敢えずコンセントにプラグを刺してから、手近な奴にでも聞くしかないか。
「プスッとな」
「なっ!?」
試験官の驚きの声が上がる。
あれっ?
俺なんか不味いことでもしました?
もしかして、このコンセント……使っちゃいけなかったとか?
「じゅ、受験番号8250番!!」
「は、はいっ?」
やっぱり不味かったのだろう。
あーあ怒られる。
軍人だろうから、怒られるぐらいで済めばいいんだが。
「修正してやるっ!」とか言われたらどうしよう?
ビクビクしながら続く言葉を待っていると……
「合格だ!」
「へっ?」
予想外の展開に、それはさぞかし間抜け面を晒していたことだろう。
開いた口が塞がらないし。
なぜに?どうして?WHY?
こうして、俺の整備班としての歩みは始まったのだった。
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