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だと言うのにこれはどういうことだろう?
俺は自分の目を疑うしかなかった。
目前のmr-60のコンソールに灯が点ったからだ。
まさかっ!
まだ開始して十七秒しか経ってないぞ?
半信半疑で周囲を見回すと……いた!
奴は間違いなく、外部電力供給用のプラグを刺した後だった。
(バカなッ!?
今までの最短記録更新だと?
今の俺でも九十秒前後はかかるんだぞ!?
奴は一体……何者だ?)
沈思黙考する事暫し、その受験者はこちらを見て判断を仰いでいたようだ。
(そうだ、今の俺は試験官。
信じる信じないは重要じゃない。
ならば、今すべきことは!)
「じゅ、受験番号8250番!!」
おっと声が上擦ってしまった。
かなり慌てているのが自覚できる。
「は、はいっ?」
ちょっとプレッシャーかけすぎたか?
怯えるような受験番号8250番。
そして告げる一言。
「合格だ!」
これからよろしく頼むぜぃ。
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