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まこっっっっっっっっっとに不本意である。
あの試験から半年が経った。
で、今日は試用期間が終わり、正式に配属が決まる日なのだ。
その配属先というのが、横須賀にある基地の『陸軍所属第7部隊特殊整備班』だ。
正式な名称はもっと長ったらしいのだが、面倒なので、通常用いる名称でしか覚えていない。
と、そんなことはどうでもいいのだ。
俺が不満を抱いているのはその立場だ。
「なんで俺が副班長なんだよォォォォッ!!」
「諦めろ、瑞希」
「そして、なんでコイツが同じ配属先なんだッ!」
「おいおい、そりゃないぜ」
俺の肩に手を置いてそう言うのは、佐伯孝介という奴だ。
同じ試験に参加していたらしく、その合格者の一人でもある。
合格後、事あるごとに絡んでくるので、正直鬱陶しいことこの上ない。
只でさえ軍に所属する事が嫌だってのに、コイツの存在は、間違いなく俺のストレスを増加させていた。
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