横須賀基地陸軍所属第7部隊特殊整備班

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「そういや聞いたか瑞希?」 「主語もないのに何の事か分かるか。 それに俺の事を下の名前で呼ぶな!」 「じゃあ水瑞(ミズミズ)」 「!! 気持ち悪い呼び方するな!」 「我が儘だなぁ水瑞はー。 んじゃあみーずきちゃーんとかどうだ?」 「良い訳あるか! そもそも下の名前がそのままだろうが。 普通に水嶋と呼べ!」 「連れないなぁ。 俺と瑞希の仲じゃないか」 ハアッと溜め息一つ。 だからコイツと一緒は嫌なんだ。 腕は確かなのが勿体無い。 「で? 何の話だ?」 諦めて先を促す。 「そうそう。 入隊試験の話なんだけどよー? あれの合格基準がなんだったのか分かったんだよ」 「なぁにぃー!? それ教えろ!直ぐ教えろ!可急的速やかに教えろ!!」 「そ、そんなに慌てなくても教える。 教えるからその手を離して!」 おっと、つい佐伯の襟を掴んで、前後に揺さぶってしまった。 半分わざとだが。 それよりも、俺が理由を知りたいのには訳がある。 入りたくもなかった、軍に入るきっかけでもあり、『陸軍所属第7部隊特殊整備班』に配属される原因ともなったからだ。
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