横須賀基地陸軍所属第7部隊特殊整備班

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水平打ちというのは、源さんお得意のお仕置き方法の一つだ。 文字通り、地面に対して水平に打撃を打ち込むのだが、その時の怒り度合いによって、打たれる場所が変わる。 「ちっ、仕方ねえから脛で勘弁しといてやる」 「勘弁の捉え方が違うとかッ!?」 「ごちゃごちゃ喧しい奴だな。 なんなら頭でも逝っとくか?」 「ひえっ! す、脛でお願いします!!」 今回はどうやら脛に決まったらしい。 「いっとくか?」の字が違うような気がしたのは、きっと気のせいだろう。 危険レベル1で良かったな、佐伯。 ゴンッ! 鈍い音がしたと思ったら 「ンギャアァァーーッ!」 直ぐ様佐伯の絶叫が響いてきた。 ちなみに、危険レベルは全五段階だ。 俺もレベル1と2は経験したが、オールクリアしたのは、佐伯ともう一人だけらしい。 ある意味勇者の称号を送ってもいいかもしんない。 だって…………攻撃手段がスパナなんだもん。 まあ佐伯の事はこの際無視しようじゃないか。 もっと重要な事がある。 「源さん、そんな阿呆は放っておくとして、聞きたいことがあるんですが」 「なんだぁ水嶋ぁ?」 「俺が副班長で、源さんが此処にいるってことは、源さんが班長ですか?」 「流石に水嶋は察しがいいな。 その通りだ」 さらば佐伯! お前の自由はこれでなくなったな。 ちょっと嬉しかったので、サムズアップを佐伯に進呈しておいた。 「それともう一つ。 第7部隊特殊整備班のクルーはこれだけなんですか?」 まさかな、とは思いつつ不安だったことも聞いてみる。 正直この三人だけとか言われたらお終いだ。 「いや、全部で七人だって話じゃ。 そろそろ来ると思うんじゃがな」 なら良かった。 俺の疑問に快く答えてくれた源さんは、何故か佐伯を四の字固めでバッチリ固めている。 俺が質問している間に何があった?
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