始まりはいつだって突然だ。

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えっ? どこがきちんと分けてるって? 固いこと言うなよ。 まあそれはさておき、あの日も趣味の一貫として、愛車の改造をしてた訳だ。 「ふんふんふ-ん♪ やっぱ改造と言えば、ルパンと007とナイトライダーだろ?」 鼻歌を歌いながら、気分よく俺はレンチを回していた。 今取りかかっているのは、こないだ仕入れたロケットブースターを車のトランク部分に設置する作業だ。 ボタン一つでトランクが開口し、その部分からブースターの排気口が飛び出る仕組みだ。 昔からやってみたかったんだよなぁ-。 ロケットブースターには男の、いや漢のロマンが詰まってると思うのは俺だけだろうか? あ、ちなみに使うのは、サーキットみたいな特殊な環境だけだからね? 整備屋としてそこはキッチリしとかねえとな。 車はいつ「走る凶器」になるともしれないからな。 「素敵な車ね」 「そうだろ? 俺が手塩にかけて育てた(改造した)マシンだからな!」 長年の憧れのパーツを付けて、余りにも浮かれていた俺は、聞き慣れない女性の声にも嬉しそうに返事を返してしまった。 思えばこれが一番の失敗だったのかもしれない。image=465443234.jpg
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