暇で始まる物語(仮)

1

「何処に行ってんだ金井」

二次元、と言おうとしたが流石にクラスの人達が見ているので二次会、と言った。

そして私は走った。
風のように、速く、美しく。
ごめん美しくは嘘だわ。

先生はフッと笑い、授業を進めた。
私はそれを見届けた後先生達の視界に入らないようにして学校から出た。

多分気付いてる先生も居たと思う。
きっと私の事は諦めたんじゃないかな、うん。

校門を通って後ろを振り向くと、ひろが居た。
ひろは乱れた呼吸を少し整えて「よ。」と言って笑う。

私も「よ。」と言って笑った。