忘れえぬ 光景

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そうして 多少のこぜりあいで 終わるかに思えた時 我々は 目を疑いたくなる光景に出会う それから10分後 制裁を加えた連中も構内を何かわめきながら去り 次の山手線が到着した 山手線は緑色の車両である 到着した山手線の窓から見える 車内は先頭から最後方まで 真っ黒、真っ黒 黒い塊である え なんで 理解出来ずに、そう口から言葉が出た 乗っていたのは 全員三国人の学生であった 一瞬悪寒が走った 山手線の緑の車両が生き物に見えた、異形の生物、憎悪の塊 、見ている景色が少し歪んだ様に思えた、極限まで気持ちを高めないと立ってもいられない、電車が駅につきドアがあくと 流れ出す水の様に 学生達が こちらに殺到してきた 後で判った事だか 総勢約200名 こと ここに至っては もー呑気な事はやってられない こちらからも、誰となく、走り出した。黙っていたら飲み込まれる 先程の部分的な戦いでなく 100対200である 怒号が飛び交い 多分壮絶な音だったろうけど、神経は目と両方の拳に宿っていた様に思う 向こうは『クナン◎▲&』とか『ヒョンチュル●▽*』とか名前を呼びあい 集団で向かってきた 幸い駅の構内は 300人が喧嘩するほど広くはなく 戦闘力の強い我々が 一時五分五分に戦っていた というより、どうなっているか皆目判らない状況である。そんな中1人の学生が俺に向かってきた 色白で小柄で 一重目蓋のおとなしそうな奴 俺『おー無理すんなよ』そう言ったさなか そいつがいきなり傘を突いて来た 簡単によけて傘の先を掴んだとき 掌に痛みが走った 先端がするどく尖っていたからである
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