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春はまだ訪れない三月の寒い夜
地表は姿を現したけれど、道路は凍っていた
空気は冷え切っている。わたしの心のように
今日は彼と逢う。遊ばれていることを承知で逢いにいく
一番になりたいから?
いや、ただ寂しいだけ。荒んだ心を埋めるだけ
心はどんどん腐っていく
…何、やってんだろ、わたし
愛が欲しいのに、本当の愛は手に入らない
『お疲れ様』
精一杯、笑顔を振りまく。今のわたしには、この人しかいない
『おぅ。ごめんな、仕事が忙しくてさ』
頭を撫でる。偽善者
『愛してるよ。逢いたかった』
嘘だって解ってた、そんな言葉
…他の女と逢っていたんでしょ?
言いたくても言えない。言葉を飲み込む
愛を与えられないわたしは、愛を贈ることが出来ない
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