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時間が過ぎる
身体を動かすことも出来ないまま、ただ右手をゆっくり動かし、SOSを送り続ける
天罰、なんだ。腐った生活をしていた罰なんだ
後悔で胸が押しつぶされる
もっと、きちんとした生活をすべきだった
誰かをきちんと愛して、自分のしている事に対して恥じない人生を歩むべきだった
数分なのか、数時間なのか、感覚さえもおかしくなる
頸が痛い。とても、熱い。他の部位は冷え切っているのに、その場所だけ異常に熱かった
右手は、惰性的にパッシングを繰り返す
誰か、助けて…
『大丈夫ですか!?』
わたしのいる狭い空間の外から、声がする
……… 幻 聴?
『大丈夫ですか?』
いや、現実だ
『…はい、…大丈夫…です』
乾いた口から、喘ぐように小さな声を漏らす
自分の声とは思えない、小さくか細い声
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