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「RPGってなんなんだ?」
父はRPGにコイツ(管理人)を組み込んだ。それにはやっぱり父の思惑があったのだろう。コイツには、いつ治るかもわからない植物状態の患者さえ治す技術があるのだ。
「やっと説明を聞いてくれる気になったんだね」
管理人はやはり俺にRPGに参加してほしいようだ。父のことをよほど尊敬しているのであろう。そう考えると、また何かが引っ掛かった。
「違う。父さんが何故そのゲームを作ったのかだ」
管理人は痺れを切らした様だったが、すぐに表情を戻し説明を続けた。
「キミのお父さんはこのゲームに研究の全てを注ぎ込んだんだ。やはり彼は技術者としてかなり力を入れていたようだね。そして、より面白くするために褒美を出すことにしたのさ」
少しずつわかってきた。その褒美ってのが、父さんの技術そのものだったってわけか。しかも、医療にまで行き渡るほどの最先端技術まで取り入れて。
「ようやく理解できたよ。その褒美ってのが、夢を叶えるための情報や技術ってわけだ。そのゲーム、やってやる」
管理人はそれを聞くとずっと続けている笑顔をさらにニヤつかせながら、話し始めた。
「そのゲーム、どうすりゃいいんだ?」
つまりコイツの言うRPGとは、実際にプレイして楽しむだけではなく報酬までついてくるという一粒で二度美味しいタイプのやつだ。しかしその分ゲーム内容は相当ハードなものになるんだろう。
管理人は俺の決意を聞くと内容を話し始めた。
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