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「亜希ちゃん…!!」
沈黙を破ったのは、ずーっとずーっと、待っていた、その子。
小走りで駆け寄ってきて、
「良かった…!! 居た!!」
って、あたしのピンク色のニットの袖を掴んだ。
「………え、愛美ちゃん!!」
思わず抱きしめていた。
あの甘くて優しい香りがする。
愛美ちゃんのジャケットの両手首を持って、
「ずーっとずーっと、待ってたんだよ? あたしアドレスか番号間違えてた?」
必死だった。
愛美ちゃんは、顔を真っ赤にして、
「違うの!!違う!! あたしあの時、嬉しくて…。うっかりして、自分の番号もアドレスも渡さなかったでしょ? 亜希ちゃんもしかしたら、登録していないアドレスが拒否設定になってるんじゃないか、とか、知らない番号からかかってきたら、でてくれないかな…。とか、何か色々考えちゃって…。 今日のお店のランチタイム、ここの前を通ったの。 亜希ちゃんらしき人がいて…。でも物凄く忙しそうだったから、邪魔しちゃいけないと思って…。 会えないかもしれないけど、仕事終わりに来てみようって思って…。」
勢いよく話す愛美ちゃん。
「もぉーっ!!!!!待ってたのっ!!ずーっと!! 会いたかった!!」
また抱きしめれば、小さい愛美ちゃんの顔はあたしの胸の位置。
「あ…、亜希ちゃん…、ネックレスが…。」
パッて離して、待ち人のおでこを覗き込めば、ムーンストーンのネックレスの跡がついていた。
顔を見合わせて笑った。
会えた、やっと、会えた…。
同じように、思ってた。
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