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「もしもーし。遅かったね?忙しかった?」
のんびりとした優樹の声。
「ゆーきっ!! 本当にごめん!! 忙しかったんだけど、早くには終わって…。 えっと、えっと…」
何をどこから話していいかわからない。
「あっこ、落ち着きなさい。大丈夫?」
優しく諭す、優樹の声。
一度だけ、深呼吸。
「愛美ちゃんに、会えたの。 今、一緒にいて、話していたら、こんな時間で…。 ごめんなさい。」
ちょっと落ち着いて話せた。
「そういう事ね。まったく…。 ソース煮込み過ぎて更に美味しくなっちゃったから(笑) 迎えに行くから、待ってて?それまでそこで話してなさい。」
本当に、まったく…。
「はい。ありがとう。」
電話を切った。
「ごめんね…。彼氏さん、怒ってるよね? ごめんなさい…。」
そう言って俯いた愛美ちゃん。
「パスタソースが煮込み過ぎて、更に美味しくなったって怒ってた。迎えに行くまでそこで話してなさい。って(笑)もう少し、相手してくれる?」
愛美ちゃんの顔を覗き込むように、低めのテーブルに肘をつき言った。
パッ、て顔を上げて
「もちろんだよ!! 優しい彼氏さんだね。」
柔らかく、優しく笑う愛美ちゃん。
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