7人が本棚に入れています
本棚に追加
/273ページ
━━━━━━━━━━━
ねーちゃんは、俺の6つ上で、みんなに優しくて、人気者で、頭も良くて、「お前のねーちゃん綺麗だよなー」って、よく言われて、しっかりしてて…。
本当に自慢のねーちゃん。
今でも。
18の頃。
ねーちゃんが24になったばっかの頃。
なーんか、もう18だし?
カッコつけたくて、金なんてないのに、そのティファニーのペンダント? 店でネックレスって言ったら、ペンダントって言われて…。
それ買って、電話したんだ。
「ねーちゃん、時間作って。そっち行くから。」
って。
ねーちゃんは笑いながら
「はいはい。じゃあ、水曜日の夜でも平気?今模様替えしていて散らかっているから、外でいい?」
って。
水曜日になって、待ち合わせの店行って、ねーちゃんみつけて。
夏の始まりなのに、長袖なんて着てて。
キャスケットを深くかぶってた。
「何そのカッコ?」
って、思わず言った。
ねーちゃんは、
「この時期の紫外線は強いんだから。店内は冷房が強いし。女は大変なのよ。」
って、飲みかけのカフェオレを持ったまま言った。
左手の薬指に、指輪がなかったんだ。
>>>>>
最初のコメントを投稿しよう!