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ねーちゃんの会社にも行った。
会議室、みたいな、応接室、みたいなところに通された。
「この度は、お悔やみ申し上げます…。」
ねーちゃんの上司らしき人が頭下げた。
「それ、言ってもねーちゃん帰ってこねーから。」
また、あの感覚。
「………。どうかこの件は、穏便に、内密にお願いします。」
さらに深く頭を下げた。
「穏便に?内密に?ふざなけんなよ。脅しにきたと思ってんの?バカじゃねーの。人殺し。お前らも死ねばいい。」
目の前にあった椅子を蹴って、コイツ殺してしまおうか?って本気で思った。
(あ、殺意って、こーゆー感覚?)
って、頭は変に冷静だった。
でも、プレゼント渡した時のねーちゃんの顔が浮かんだ。
(ねーちゃん。ごめん。こんな事、望んでないね。そのため、だったんだもんな…。)
そのまま、何も言わず会社を出て、いつの間にか泣いていて、昼間のオフィス街で、俺、泣いてた。
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