--陽菜さん 2--

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「やっぱり。やっぱり、あっこなんだよ。ねーちゃんが教えてくれた。」 鼻水をすすりながら、優樹は言った。 「お姉さんが…。陽菜さんが、出逢わせてくれた?」 アイラインやマスカラが涙で落ちて、絶対ひどい顔。 写真に顔を向け 「陽菜さん、初めまして。亜希子です。優樹さんと仲良くさせてもらっています。ありがとうございます。」 頭を下げた。 (似ていたのは、姉弟だから…。) 「ま、まだ、一緒にお風呂は苦手。入浴剤はたぶん当分無理。ワンピースはちょっと大丈夫。ティファニーは…。大切な時にとっておく。」 手を繋いだまま、あたしの手も持って行って、顔を拭う。 「付き合ってないのに、一緒になんて入らない。 ワンピースは似合わない。仕事以外で滅多に着ない。大切な時はティファニーじゃなくて、ハリーウィンストンがいい。」 あたしも手を引っ張って、顔を拭う。 「あ゙っ゙!! あっこ!!マスカラついた!! 黒くなった!!しかもハリーなんとかって何?!」 パッて、手を離して、あたしより服の心配をした優樹。 ぐちゃぐちゃの顔で 「陽菜さぁーん。゙大切な人゙って、言ったのに、服の心配してるんですー。」 陽菜さんの写真にくっつくように、陽菜さんに言いつけた。 「ちがっ、違う違う違う!!!!ほらっ!!」 って、無理やりあたしの顔を両手で掴んで、伸ばした服の袖で、顔をこすった。 肌色、黒、ラメ…。 迷彩服よりひどいかも。 二人で顔を見合わせて、おでこをくっつけて笑った。 そうして、初めて、キスをした。 陽菜さんが、また優しく笑ったような気がした。 >>>>>
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