7人が本棚に入れています
本棚に追加
/273ページ
目が、覚めた。
あの日の夢を見た。
あの日、一緒にぐちゃぐちゃな顔で泣いてた人が、あたしを抱き枕代わりにして眠ってる。
かろうじて動かせた右手の指先で、その顔をなぞる。
おでこ、眉、眉間、瞼、鼻筋、頬、顎。
ゆっくり、唇をなぞった時。
「ね、誘ってる?」
って、目をうっすら開けて言った。
「2回は、無理なクセに。」
唇を左右両方から摘んでやった。
ニーッて笑って、また目をつぶって、ウトウトし始めた優樹。
今、こうして、ここに居られて、こんなに近くに居てくれて、優しくて、大切にしてくれて、たくさんの愛情をくれる。
あたしは幸せなんだなぁ、と本当に思う。
>>>>>
最初のコメントを投稿しよう!